家族が嫌いだとする人も、案外いるものです。
その心理にどういったものが考えられるかを考察します。
一般的には残念なことのようにも思われますが、「それも仕方ない」といえる理由も多々あります。
- 親に明らかな問題があり、許せない
- 子どもや兄弟が問題を起こしてばかりで、困ってしまう
- 兄弟とのライバル関係が激しく、嫌いになる
- お互いを選ぶことができない、として好きになれない
- 極度な「ひいき」がまかり通っていて、嫌になる
- 祖父母・孫間の仲が良いことから、親・子が嫌いになる
- 単に近くにいるので、嫌いになってしまう
- 「家族は仲良くすべきである」という風潮へのリアクタンス
- まとめ
1. 親に明らかな問題があり、許せない
一定数、明確におかしな親というものも存在しています。
ギャンブルや薬物に依存し、虐待行為やネグレクトをしたりと…。
犯罪といえるレベルになくても、かなりひどい子育てをする親はいるもので、それを「嫌いになるな」といっても無理な話ではないでしょうか。
2. 子どもや兄弟が問題を起こしてばかりで、困ってしまう
虐待というと親から子どもへのものを想像しがちですが、子どもが高齢な親を虐待するケースだって少なくありません。
きょうだいが常に反社会的行為や多額の借金を繰り返しているなどのことで、自分が尻拭い役となり、辟易(へきえき)してしまう人もいます。
「家族だから好きになれ」というにも限度があり、近しいだけに「とにかく嫌い」とする人もいます。
3. 兄弟とのライバル関係が激しく、嫌いになる
きょうだいは、生き物としてみると「仲間」である反面で「ライバル」でもあります。
親の提供する限られたリソースをきょうだいに奪われてしまえば、生きていけないからです。
客観的に見てこれといった問題がない家庭であっても、きょうだい間のライバル心が熾烈であり、成人して親元を離れたあとも敵対関係にあることはそう珍しくないものです。
こうしたライバル関係は兄VS弟、姉VS妹など同性間で発生しやすく、年が離れているとあまり起きない傾向にあります。
4. お互いを選ぶことができない、として好きになれない
友人や恋人などと比べると、親や子ども、きょうだい同士は「選んで付き合っている」人間ではありません。
この「お互い選んだわけじゃない」ことが気にかかってしまうと、「なんでこんな親と暮らさなければならないのか」とか、「あんな姉は嫌いだ。
どうしてあれが姉なのか」だとか思うことも不思議ではないのです。
ここで世間一般にはトラブルのもとと思われやすい「離婚〜再婚」などを考えると、事情が違います。
「あなたとお母さんの幸せを考えた上で、お母さんとあなたで"選んだ"新しいお父さん」といったことになると、案外うまくいくケースもあるのです。
不思議なものですよね。
養子縁組でうまくいくことが多いのも、「"この子"を育てたいと思ったのだ」という意識が親にあり、それが子に伝わる心理が関連しています。
5. 極度な「ひいき」がまかり通っていて、嫌になる
家族間では、親が長女を可愛がり、次女に厳しく接するなど「ひいき」が見られることがあります。
人間ですから完全に平等な態度をとるのは無理だとしても、一般社会ではありえないようなひいきが許容されている例も珍しくはないものです。
たとえば夫婦仲が良かったところに子どもができ、男児であった場合、女性側に「妻」としての自分よりも「母」としての自分のほうが強く出過ぎてしまうことがあります。
息子とは仲良く話すが夫を無視する、というような「ひいき」パターンから家庭内不和が起きることも十分想定できます。
6. 祖父母・孫間の仲が良いことから、親・子が嫌いになる
一般に、祖父母と孫の間の関係においては、トラブルが生じにくいものです。
お互いについての責任感や依存感がそれほど強くないことも影響しています。
しかし、これがむしろ親子間の関係を悪化させてしまうこともあります。
家庭内における「祖母」ポジションの人から、「この子(孫)は可愛いわねえ。
あなた(その子の母親)の小さい時とは全然違って、すごく良い子ね」などとぼそっと呟かれたりすると、母親としては非常にいらいらしてしまうものでしょう。
母親としては、親であるからこそ子どもに厳しく当たることもあるのに、「お母さんは怒ってばっかり。
おばあちゃんのほうが優しくて好き」などと長年言われると、微妙な関係になることもあります。
7. 単に近くにいるので、嫌いになってしまう
いつもいつも近くにいれば、当然お互いの嫌な面も見えてくるのが人間というものです。
友人や恋人、同僚などでもこれはいえることですね。
家族はその最たるものであり、友人や同僚などと違って「どうしようもなければ関係を切る」ということもままなりません。
これゆえ、とことん嫌いになってしまうという心理も考えられます。
8. 「家族は仲良くすべきである」という風潮へのリアクタンス
日本は家族社会であり、どんな問題でも家族単位で抱え込んでしまう風潮があります。
「家族であれば当然仲良くすべきである」といったことも、明言されなくとも共有されている部分があります。
しかし世界的に見ると、これは必ずしもスタンダードではありません。
家族を単位として様々な苦しみや痛みを分かち合わなければならない、とするのは「一つの考え」にすぎないのです。
このような、明示的でないながらに強い風潮へのリアクタンス(反発)として家族を嫌いになる人もいます。
「家族だからといって別に好きになる必要はない」と割り切って考えられるようになると、無用に嫌うこともなくなり、対等な人間として接することができるようになる、というケースもありますね。
まとめ
家族を嫌いになる心理にはかなり多様なものがあり、人間存在の本質をついているような部分も見受けられます。
家族に危害を加えたりするのは当然問題であるとしても、「家族を好きでいなければならない」ということも特にいえません。
人間の集まりとは結局のところどういうものなのか、家族問題をベースに友人などと話し合ってみても面白いかもしれないですね。
家族が嫌いだとする人も、案外いるものです。
その心理にどういったものが考えられるかを考察します。
一般的には残念なことのようにも思われますが、「それも仕方ない」といえる理由も多々あります。
1. 親に明らかな問題があり、許せない
一定数、明確におかしな親というものも存在しています。
ギャンブルや薬物に依存し、虐待行為やネグレクトをしたりと…。
犯罪といえるレベルになくても、かなりひどい子育てをする親はいるもので、それを「嫌いになるな」といっても無理な話ではないでしょうか。
2. 子どもや兄弟が問題を起こしてばかりで、困ってしまう
虐待というと親から子どもへのものを想像しがちですが、子どもが高齢な親を虐待するケースだって少なくありません。
きょうだいが常に反社会的行為や多額の借金を繰り返しているなどのことで、自分が尻拭い役となり、辟易(へきえき)してしまう人もいます。
「家族だから好きになれ」というにも限度があり、近しいだけに「とにかく嫌い」とする人もいます。
3. 兄弟とのライバル関係が激しく、嫌いになる
きょうだいは、生き物としてみると「仲間」である反面で「ライバル」でもあります。
親の提供する限られたリソースをきょうだいに奪われてしまえば、生きていけないからです。
客観的に見てこれといった問題がない家庭であっても、きょうだい間のライバル心が熾烈であり、成人して親元を離れたあとも敵対関係にあることはそう珍しくないものです。
こうしたライバル関係は兄VS弟、姉VS妹など同性間で発生しやすく、年が離れているとあまり起きない傾向にあります。
4. お互いを選ぶことができない、として好きになれない
友人や恋人などと比べると、親や子ども、きょうだい同士は「選んで付き合っている」人間ではありません。
この「お互い選んだわけじゃない」ことが気にかかってしまうと、「なんでこんな親と暮らさなければならないのか」とか、「あんな姉は嫌いだ。
どうしてあれが姉なのか」だとか思うことも不思議ではないのです。
ここで世間一般にはトラブルのもとと思われやすい「離婚〜再婚」などを考えると、事情が違います。
「あなたとお母さんの幸せを考えた上で、お母さんとあなたで"選んだ"新しいお父さん」といったことになると、案外うまくいくケースもあるのです。
不思議なものですよね。
養子縁組でうまくいくことが多いのも、「"この子"を育てたいと思ったのだ」という意識が親にあり、それが子に伝わる心理が関連しています。
5. 極度な「ひいき」がまかり通っていて、嫌になる
家族間では、親が長女を可愛がり、次女に厳しく接するなど「ひいき」が見られることがあります。
人間ですから完全に平等な態度をとるのは無理だとしても、一般社会ではありえないようなひいきが許容されている例も珍しくはないものです。
たとえば夫婦仲が良かったところに子どもができ、男児であった場合、女性側に「妻」としての自分よりも「母」としての自分のほうが強く出過ぎてしまうことがあります。
息子とは仲良く話すが夫を無視する、というような「ひいき」パターンから家庭内不和が起きることも十分想定できます。
6. 祖父母・孫間の仲が良いことから、親・子が嫌いになる
一般に、祖父母と孫の間の関係においては、トラブルが生じにくいものです。
お互いについての責任感や依存感がそれほど強くないことも影響しています。
しかし、これがむしろ親子間の関係を悪化させてしまうこともあります。
家庭内における「祖母」ポジションの人から、「この子(孫)は可愛いわねえ。
あなた(その子の母親)の小さい時とは全然違って、すごく良い子ね」などとぼそっと呟かれたりすると、母親としては非常にいらいらしてしまうものでしょう。
母親としては、親であるからこそ子どもに厳しく当たることもあるのに、「お母さんは怒ってばっかり。
おばあちゃんのほうが優しくて好き」などと長年言われると、微妙な関係になることもあります。
7. 単に近くにいるので、嫌いになってしまう
いつもいつも近くにいれば、当然お互いの嫌な面も見えてくるのが人間というものです。
友人や恋人、同僚などでもこれはいえることですね。
家族はその最たるものであり、友人や同僚などと違って「どうしようもなければ関係を切る」ということもままなりません。
これゆえ、とことん嫌いになってしまうという心理も考えられます。
8. 「家族は仲良くすべきである」という風潮へのリアクタンス
日本は家族社会であり、どんな問題でも家族単位で抱え込んでしまう風潮があります。
「家族であれば当然仲良くすべきである」といったことも、明言されなくとも共有されている部分があります。
しかし世界的に見ると、これは必ずしもスタンダードではありません。
家族を単位として様々な苦しみや痛みを分かち合わなければならない、とするのは「一つの考え」にすぎないのです。
このような、明示的でないながらに強い風潮へのリアクタンス(反発)として家族を嫌いになる人もいます。
「家族だからといって別に好きになる必要はない」と割り切って考えられるようになると、無用に嫌うこともなくなり、対等な人間として接することができるようになる、というケースもありますね。
まとめ
家族を嫌いになる心理にはかなり多様なものがあり、人間存在の本質をついているような部分も見受けられます。
家族に危害を加えたりするのは当然問題であるとしても、「家族を好きでいなければならない」ということも特にいえません。
人間の集まりとは結局のところどういうものなのか、家族問題をベースに友人などと話し合ってみても面白いかもしれないですね。