オニヤンマは、トンボの中でも群を抜いて大きい上に、黒と黄色のツートンカラーの配色が、非常に目立つ大型の飛翔昆虫です。
古来、周りに比べてあまりにも大きい規格外のものには、「オニ」を冠した名前を付けたようで「オニユリ」「オニバス」と、いくつもの例がありますが、オニヤンマもその一つで、他のトンボに比べて極めて大きいことからきた名前だろうと思われます。
- 体の様子
- 生息地域
- 食性
- 平均的な生涯
- 飛行の特徴
- 縄張りの見回り飛行
- 省エネ飛行
- 飛行速度はハイクラス
- 回転するものに興味
- 指をグルグル回してトンボを捕る
- 捕れるのは、オスばかり
- 天敵は
- 捕まえるコツ
1. 体の様子
頭部から腹部の先端までが、9㎝から11㎝ほどあり、他のトンボとは比べものになりません。
胸と腹部との境目付近で、大きくくびれているのが特徴です。
さらに、メスは、腹部の先端に、産卵弁が突き出ています。
鮮やかな緑色の大きな複眼をもち、体全体は黒色です。
ただし、胸の前に八の字形の黄色の模様があり、胸の側面にも黄色の帯が2~3本走っています。
また、腹部の節毎に黄色のラインが入っていて、見た目にも、黒と黄色のコントラストが効いたすっきりとした模様のトンボです。
2. 生息地域
北は北海道から、南は沖縄、八重山諸島まで、広く日本中に、分布しています。
大きな河川ではなく、小規模な河川や水のきれいな小川の周辺あたり、森林の外れあたりの日陰で涼しい所などに、生息しています。
活動域は広くて、平地に点在する湿地から山間部の渓流だけではなく、森林に隣接している市街地にも飛来することもあって、少し自然の中に入り込めば、比較的目にしやすい昆虫です。
3. 食性
ハチクマと並んで、スズメバチの天敵に上げられているように、強力なあごで、獲物をかみ砕いて食する肉食性の昆虫です。
ガやハエ、アブなどを、空中で捕まえて食べます。
なお、天敵としてのスズメバチとの関係については、捕食した事例もありますが、捕食された事例もあって、スズメバチを補食することは、確かな事実です。
しかし、スズメバチの巣が近くにない場合とか、周りにスズメバチの仲間がいない場合などといった、条件付きの捕食者であるようです。
4. 平均的な生涯
メスが卵を産み付けた、小さな流れの砂や泥の中から1ヶ月くらいで孵化し、ヤゴになります。
ヤゴは、半透明の白色で、足も太くて短く、成虫とは、似ても似つかない様子をしています。
川底の泥に潜り込んで、目だけを出して獲物を待ち受けます。
獲物が頭上を通りかかると、ハサミがついた下唇を、電光石火、獲物に伸ばして捕獲します。
よく晴れた夏の夜に、水面の石や杭になどに登って、体を固定すると羽化が始まり、朝を迎えるまでには、成虫となって空に舞い上がります。
この幼虫から成虫になるまでの期間が、およそ5年間と言われます。
幼虫の姿のままで5回も越冬を繰り返しながら、成虫になってからは、1、2ヶ月の間に、子孫を増やすための繁殖活動を終えて、短い生涯を終わります。
5. 飛行の特徴
6月頃から9月にかけて、飛んでいる姿が見られます。
他のトンボと比べて、一方向に向って飛ぶイメージが強く、特に、ある一定の範囲を、繰り返し往復して飛行する様子が見られます。
6. 縄張りの見回り飛行
このような決まったコースを行ったり来たりする様子から、これは、長く縄張りを守る行動だと解釈されていました。
しかし、羽ばたくものや回転するものをオスと認識することが解ってきた最近では、単なるメスの個体を探す行動でしかないことが解ってきました。
それで、縄張り説は、言われなくなりました。
7. 省エネ飛行
水辺を飛行する際には、水面から20㎝程度の高さを飛行しますが、朝は気温が低いので速めに、日中の気温の高いときには遅めに飛行するなど、飛行に要するエネルギーを効率よく使用するように飛ぶという、往復の飛行にも昆虫の知恵が隠されています。
8. 飛行速度はハイクラス
一定のコースを往復するその速度は、秒速20m程度とされますから、時速に換算すると時速70㎞強にもなる高速飛行です。
それもある一定の高度を保って飛びますので、端から見ると、まるでガードマンの巡回警備のように見えます。
縄張りを守る活動だとされたのも解ります。
9. 回転するものに興味
扇風機や円盤など、回転しているものに興味を示す習性があって、その前で、ホバーリングして、飛び去らないということがあります。
同様に、テレビの映像にも同じような行動を取ることがあって、調べてみれば、テレビの画像も走査線という光の線が走っているわけなので、扇風機の羽根の動きと同じにオニヤンマの複眼には映るのかもしれません。
10. 指をグルグル回してトンボを捕る
昔の子ども達が、オニヤンマを捕まえるのに、紐の先に小石を結んだものをグルグル回したり、竹の先に止まったオニヤンマの目の前で、指をグルグル回していたりしたのは、回転するものに興味を示すオニヤンマの習性に目を付けた、理にかなった捕獲方法といえます。
扇風機もまだないような時代に、すでにオニヤンマの習性を見事に見抜いていた先人達の知恵と観察力には、驚かされます。
11. 捕れるのは、オスばかり
オニヤンマのオスには、羽ばたくものを、全てメスと見なして、行動する習性があります。
と同様に、回転するものにも興味を示す習性があります。
ところが、メスは、回転するものは、捕食者であると認識する方向にありますので、逆に、回転するものは避けようとする行動に出ます。
そのため、 指を回したり、小石の着いた紐をびゅんびゅん回したりした時に集まってくるのは、オスばかりということになります。
その結果として、捕まえてみれば、オスばかりということになってしまうのです。
12. 天敵は
昆虫の世界では、最大級の大きさを誇っていますので、天敵と言えば、鳥類やコウモリなど、別の種属の生き物が敵になるようで、人間もその中に加わるのではないでしょうか。
13. 捕まえるコツ
13-1. コースを読む
かなりのスピードで飛びますから、捕虫網で捕まえるのも早々たやすくはありません。
ところが、オニヤンマは、よく観察してみると、ある一定のコースを、ある一定の決まった時間に飛行する習性がありますから、それを読み解けば、逆に、捕まえやすいかもしれません。
オニヤンマは、トンボの中でも群を抜いて大きい上に、黒と黄色のツートンカラーの配色が、非常に目立つ大型の飛翔昆虫です。
古来、周りに比べてあまりにも大きい規格外のものには、「オニ」を冠した名前を付けたようで「オニユリ」「オニバス」と、いくつもの例がありますが、オニヤンマもその一つで、他のトンボに比べて極めて大きいことからきた名前だろうと思われます。
1. 体の様子
頭部から腹部の先端までが、9㎝から11㎝ほどあり、他のトンボとは比べものになりません。
胸と腹部との境目付近で、大きくくびれているのが特徴です。
さらに、メスは、腹部の先端に、産卵弁が突き出ています。
鮮やかな緑色の大きな複眼をもち、体全体は黒色です。
ただし、胸の前に八の字形の黄色の模様があり、胸の側面にも黄色の帯が2~3本走っています。
また、腹部の節毎に黄色のラインが入っていて、見た目にも、黒と黄色のコントラストが効いたすっきりとした模様のトンボです。
2. 生息地域
北は北海道から、南は沖縄、八重山諸島まで、広く日本中に、分布しています。
大きな河川ではなく、小規模な河川や水のきれいな小川の周辺あたり、森林の外れあたりの日陰で涼しい所などに、生息しています。
活動域は広くて、平地に点在する湿地から山間部の渓流だけではなく、森林に隣接している市街地にも飛来することもあって、少し自然の中に入り込めば、比較的目にしやすい昆虫です。
3. 食性
ハチクマと並んで、スズメバチの天敵に上げられているように、強力なあごで、獲物をかみ砕いて食する肉食性の昆虫です。
ガやハエ、アブなどを、空中で捕まえて食べます。
なお、天敵としてのスズメバチとの関係については、捕食した事例もありますが、捕食された事例もあって、スズメバチを補食することは、確かな事実です。
しかし、スズメバチの巣が近くにない場合とか、周りにスズメバチの仲間がいない場合などといった、条件付きの捕食者であるようです。
4. 平均的な生涯
メスが卵を産み付けた、小さな流れの砂や泥の中から1ヶ月くらいで孵化し、ヤゴになります。
ヤゴは、半透明の白色で、足も太くて短く、成虫とは、似ても似つかない様子をしています。
川底の泥に潜り込んで、目だけを出して獲物を待ち受けます。
獲物が頭上を通りかかると、ハサミがついた下唇を、電光石火、獲物に伸ばして捕獲します。
よく晴れた夏の夜に、水面の石や杭になどに登って、体を固定すると羽化が始まり、朝を迎えるまでには、成虫となって空に舞い上がります。
この幼虫から成虫になるまでの期間が、およそ5年間と言われます。
幼虫の姿のままで5回も越冬を繰り返しながら、成虫になってからは、1、2ヶ月の間に、子孫を増やすための繁殖活動を終えて、短い生涯を終わります。
5. 飛行の特徴
6月頃から9月にかけて、飛んでいる姿が見られます。
他のトンボと比べて、一方向に向って飛ぶイメージが強く、特に、ある一定の範囲を、繰り返し往復して飛行する様子が見られます。
6. 縄張りの見回り飛行
このような決まったコースを行ったり来たりする様子から、これは、長く縄張りを守る行動だと解釈されていました。
しかし、羽ばたくものや回転するものをオスと認識することが解ってきた最近では、単なるメスの個体を探す行動でしかないことが解ってきました。
それで、縄張り説は、言われなくなりました。
7. 省エネ飛行
水辺を飛行する際には、水面から20㎝程度の高さを飛行しますが、朝は気温が低いので速めに、日中の気温の高いときには遅めに飛行するなど、飛行に要するエネルギーを効率よく使用するように飛ぶという、往復の飛行にも昆虫の知恵が隠されています。
8. 飛行速度はハイクラス
一定のコースを往復するその速度は、秒速20m程度とされますから、時速に換算すると時速70㎞強にもなる高速飛行です。
それもある一定の高度を保って飛びますので、端から見ると、まるでガードマンの巡回警備のように見えます。
縄張りを守る活動だとされたのも解ります。
9. 回転するものに興味
扇風機や円盤など、回転しているものに興味を示す習性があって、その前で、ホバーリングして、飛び去らないということがあります。
同様に、テレビの映像にも同じような行動を取ることがあって、調べてみれば、テレビの画像も走査線という光の線が走っているわけなので、扇風機の羽根の動きと同じにオニヤンマの複眼には映るのかもしれません。
10. 指をグルグル回してトンボを捕る
昔の子ども達が、オニヤンマを捕まえるのに、紐の先に小石を結んだものをグルグル回したり、竹の先に止まったオニヤンマの目の前で、指をグルグル回していたりしたのは、回転するものに興味を示すオニヤンマの習性に目を付けた、理にかなった捕獲方法といえます。
扇風機もまだないような時代に、すでにオニヤンマの習性を見事に見抜いていた先人達の知恵と観察力には、驚かされます。
11. 捕れるのは、オスばかり
オニヤンマのオスには、羽ばたくものを、全てメスと見なして、行動する習性があります。
と同様に、回転するものにも興味を示す習性があります。
ところが、メスは、回転するものは、捕食者であると認識する方向にありますので、逆に、回転するものは避けようとする行動に出ます。
そのため、 指を回したり、小石の着いた紐をびゅんびゅん回したりした時に集まってくるのは、オスばかりということになります。
その結果として、捕まえてみれば、オスばかりということになってしまうのです。
12. 天敵は
昆虫の世界では、最大級の大きさを誇っていますので、天敵と言えば、鳥類やコウモリなど、別の種属の生き物が敵になるようで、人間もその中に加わるのではないでしょうか。
13. 捕まえるコツ
13-1. コースを読む
かなりのスピードで飛びますから、捕虫網で捕まえるのも早々たやすくはありません。
ところが、オニヤンマは、よく観察してみると、ある一定のコースを、ある一定の決まった時間に飛行する習性がありますから、それを読み解けば、逆に、捕まえやすいかもしれません。